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漆器エクストリーマー・喜八工房六代目・酢谷喜輝のブログ。 山中漆器の老舗、喜八工房では、モダンなものから素朴な器まで、常識的なことから非常識的なことまで、誠実かつ刺激的に漆器が愛おしくなるよう提案しています。

朱漆「根来」-中世に咲いた華

喜八工房の日々 | 2013年10月29日

MIHO MUSEUM 秋季特別展 『朱漆「根来」-中世に咲いた華』

漆器に携わる者として、また日頃から「似非根来塗師」を標榜する私としては観ておかなくてはならない。ということで、ミホミュージアムまで行ってきた。むろん一人で。

 

ミュージアム近くの道路が土砂崩れの復旧作業中だったため遠回りしながら、ようやく到着。思ったより山の中ということもあり、日常の雑念、雑音から解放された状態でじっくり「根来」を味わうことができた。家族や友人が一緒だったら、このようにはいかない。やはり静謐な場での展覧会はひとりが一番。

 

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展示してある建物までのアプローチ。トンネル。

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 トンネルを徒歩で通り抜ける。時空を超えた根来ワールドとの結界のようでもある。テンションも上がってくる。

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似非根来塗 井戸椀   似非根来塗師作 2008年  (展覧会とは関係ありません。)

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今回の展覧会を観て、ますます根来の魅力に取り憑かれてしまった。長年に亘って、使われ、拭き込まれることにより朱漆が擦れて下地の黒が顔を覗かせる生々しい表情は美しく、観るだけでなく実際に触って味わってみたいと思わせる。商売人として、この味をどうやって出せばいいのか?という俗世間的なことを考えながら鑑賞していなかったと言えば嘘になるが。。。

 

古い「根来」のように使い込まれた中での無作為で自然な朱漆の擦れ具合は、現代に作られた漆器ではなかなか出せない味である。漆と顔料の調合比率、漆の劣化等、いくつかの条件が重なり合うことで「根来」らしい味が出てくるものと思われる。この辺のことに関しては別の機会に。

 

「根来塗」、「根来」という呼び方は和歌山県の根来寺に由来しているわけだが、根来寺やその近辺で作られた以外の朱塗りの漆器も「根来」と呼ばれて久しく、器好きの間では市民権を得ている。根来寺近辺で作られた漆器は「根来塗」、それ以外の朱塗りの漆器は「根来」と呼んじゃえばいいんじゃねぇ?という考え方らしい?!弊社ロングセラー椀にも「【根来】でいいんじゃねぇ?」を地で行く漆器がある。↓

 

「欅 荒筋 汁椀 根来」・・・作為的に使い古したような風情に仕上げてある。

 

ちなみに、私が個人的に商売抜きで作った根来風漆器は「似非根来塗」、それを作る自分のことを「似非根来塗師」と勝手に呼んでいる。胡散臭さが気に入っている。この「似非根来塗」を商品として安定供給できるよう画策中である。

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